Designer デザイナー

久保田恵子|Keiko Kubota

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テーマは五感。
朗らかに笑い、心地良く暮らす住まい。

「海が近くて、空気が違う。何よりも空の大きさが違う」。数年前まで新宿にオフィスを構えていた久保田氏ですが、現在は茅ヶ崎にオフィスを移し、住まいでもある茅ヶ崎の居心地の良さをこのように語ってくれました。さらに、月のキレイな夜は屋根の上で少しのお酒を楽しみ、夏には夫婦でワインとパンとギターを抱えて、海で飲んで歌って帰ってくるという彼女のプライベートを伺うと、彼女の設計コンセプトは、彼女の感性そのものなのだと気付きます。
事務所名である「5’st」の「5」は「五感」のこと。そして「st」は「ストリート」。建物が建物だけで出来ているのではなく、建物はランドスケープの中のひとつである・・・という意味が込められています。
そのため、彼女の設計には外界との繋がりを持つ建物が多いのが特徴。広い窓から借景を眺めたり、庭つづきのリビングがあったり、時にはマンションに露天風呂を設置するなど特別な設計にもチャレンジしながら、外界と相性のいい関係を造り出しています。
居ながらにして外界を感じられる空間は、そこから望む景色や季節を帯びた空気、家にはない物音が五感にやさしく触れ、その人にとっての心地よさが生まれているのです。



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外界の空気を感じる家づくりに合わせた、
素材選びにも注目。

外界を感じる施工例を紹介すると、庭のない一軒家の場合では、細い外階段を上がったところにあるデッキテラスに季節の花々を咲かせ、そこを抜けてメイン玄関へと導く設計になっており、テラスはリビングからの眺めも抜群です。マンションのベランダに人工芝を張った施工例では、窓から望む公園のグリーンと人工芝がひとつになり、まるで絵を見るような空間に仕上がっています。
こうした空間を作り出すために、久保田氏は素材選びにもアイディアを発揮しています。特にガラスにこだわりがあり、寝室から愛車をながめ、リビングの大きな窓から風景を望む家では、ガラス窓が巧みに使われています。その他、透明度の異なる3~4種のガラスブロックを積み重ねて模様を作り、ダイニングにあしらったり、天板ガラス板のテーブルを提案したりするなど、素材の使い方によっても内部と外部の隔たりを意識しない空間づくりをめざしています。
また、彼女は「竹のアート」というイベントに、毎年ものづくり集団『参番穂』として参加し、竹を使って人が集まる場を作るなど、斬新なアイディアで活動を続けています。ライフワークとしての活動を通じ、デザインだけでなく、自ら手を動かしてものづくりをすることの大切さを実践しているのです。

久保田恵子

5’st(ゴ ダッシュ エス ティ)代表

1967年 東京都生まれ
1989年 多摩美術大学芸術学部建築科卒業
1990年 株式会社BAO建築事務所入社
1995年 株式会社ピトリ・ピコリ入社
2003年 5’st設立 現在に至る
・車と共に暮らす家
・アーティストの家
・バイク好きの家
・TOY HOUSE
・音楽室のある家
・エゴの木HOUSE